マスターのつぶやき (スイーツ)

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色々な砂糖について

凛ではコーヒー豆はもちろんですが、お菓子作りに使う原料にもこだわりをもっています。良い素材を使うことはもちろんですが、お菓子それぞれの特徴に合わせて様々な種類の材料を使い分けることを意識しています。例えば、お菓子に使われる薄力粉、おそらくメーカーが持っている種類は50~100種類くらいはあると思いますが、それぞれ、サクサクの食感になる粉、もっちりしっとりする粉、焼き上がりの色がきれいになる粉など、色々な特徴があり、用途に応じて使い分けています。

 

今日は、そういった原料の中でも比較的味の違いが分かりやすく、皆さんがお料理やお菓子作りをするときに使い分けをすることで味のバリエーションを増やすことができる「砂糖」について、簡単に説明してみたいと思います。

 

1.製法による種別

 砂糖は製法上の特性から「分蜜糖」と「含蜜糖」の2種類に分けられます。分蜜糖とは、原料糖※1を溶かし、ろ過を繰り返して不純物を取り除いた糖液を煮詰め結晶化し、その結晶の中から蜜分を取り除き砂糖の結晶だけを取り出したものです。一般的には精製糖と呼ばれ、グラニュー糖、上白糖、三温糖、ザラメなどがこの含蜜糖に分類されます。これに対し、含蜜糖は、糖液を煮詰めてそのまま結晶化させるため、蜜分(ミネラル分)を含んだ砂糖になります。黒砂糖やメープルシロップ、和三盆糖などが含蜜糖に分類されます。

 

※1・・・原料糖というのは、精製される前の砂糖のことで粗糖とも呼ばれます。砂糖の原料となるサトウキビやテンサイは傷みやすくかさばるため運搬に適していません。なので、サトウキビなどの原料からしぼり汁をとってそれを煮詰め、原料糖に1次加工します。そして、それをもう一度溶かして色々な砂糖の原料にします。

 

 

2.原料による種別

砂糖のなかでも精製糖の原料となるのは、ほぼ「サトウキビ」もしくは「サトウダイコン」です。サトウキビが暖かい地方で育つのに対し、サトウダイコン(ビーツやテンサイ)は寒冷地での栽培が可能で、日本では北海道で栽培されています。このほかには、「サトウカエデ」の樹木からとれるメープルシロップ、「サトウヤシ」からとれるパームシュガーなどがあります。また、砂糖にはぶんるいされませんが、ハチミツも特徴のある甘みを持った素材になります。

 

3.凛で使っている砂糖

凛のお菓子は、小麦粉や卵、バターの持つ自然な風味をいかしているものが多いので、余分な風味をつけることなく素材の味の邪魔にならない甘みを持つグラニュー糖を使うことが多いですが、砂糖自体の持つ風味や特徴を楽しんでいただく仕上がりにするときには、含蜜糖を使っています。例えば、香ばしくコクのある甘みが特徴のメープルシロップは、寒い時期に食べていただく焼ドーナツにぴったりですし、黒糖オレは、黒砂糖のもつ複雑かつ重厚な甘みをいかしたバリエーションドリンクとして根強い人気を持っています。また、高級和菓子に使用されている和三盆糖を使ったクッキーは、ほろほろとした口どけと上品な甘さがあり、上白糖やグラニュー糖では出すことのできない味わいになります。また、例えば、クレームブリュレは本場フランスのレシピを忠実に踏襲すると、使用するのはカソナードというサトウキビを原料とした含蜜糖になり、凛のクレームブリュレのレシピでもこの砂糖を使っています。

 

この他にも、用途に合わせて使い分ける氷砂糖や角砂糖、コーヒーシュガーなどの加工糖、また、形状の異なるアラレ糖や黒蜜など、砂糖の世界は相当奥が深いので、みなさんもぜひ色々な砂糖にチャレンジしてみてください。

 

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